【当日映像公開!】2023年度 第5回びんごデジタルラボイベント『DIGILAB10~デジタル化支援制度を使って業務を効率化!~』

2024年1月23日(火)に 「2023年度 第5回びんごデジタルラボ『DIGILAB10』」を開催しました!
今回の開催テーマは「デジタル化支援制度を使って業務を効率化!」です。

【開催概要】

  1. ◯ 日時:1月23日(火) 15:00 〜 16:30
  2. ◯ 開催方式:オンライン(Zoom)と現地参加のハイブリッド開催
  3. ◯ 参加者:58名

自治体から提供されているデジタル化支援制度を活用している企業の事例紹介として,今回は株式会社HITOホールディングス 吉田 勇一郎さん,丸加ホールディングス株式会社 高尾 真友さんにご登壇していただきました。

オンラインと現地参加のハイブリッド形式で開催し,多くの方にご参加いただきました。
ご参加いただいた皆様,ありがとうございました。

〈登壇企業紹介〉
会社名 本社所在地 事業内容 企業HP
株式会社HITOホールディングス 広島県呉市広多賀谷 ・グループ会社の経理,労務,事務代行 / グループ会社の資産管理 / グループ会社の営業支援,代行 / グループ会社の各種手続き代行 https://hitohd.com/
丸加ホールディングス株式会社 広島県福山市西町 ・グループ経営戦略立案及び事業会社の統括管理等 https://www.maruka-holdings.jp/
〈事例紹介 ①〉

株式会社HITOホールディングス 吉田さんより「kintoneとKING OF TIMEの活用方法」についてご説明いただきました。

1 デジタル化への取り組みの背景

デジタル化への本格的な取り組みをはじめたきっかけは2018年の西日本豪雨災害です。当時はデータをクラウドではなく社内に設置しているサーバ内にすべて保管していました。仮に災害等でサーバが壊れてしまった場合,データの復旧が難しく,事業全体に大きなダメージを負う恐れがありました。そこで社長の指導のもと,デジタル化を本格的に進めていくことを決意し,まずはグループ企業の一つである株式会社岩本商店にリサイクル業に特化した計量/仕入・販売管理システムである環境将軍R(※1)を導入しました。

環境将軍R上のクラウドで保存とバックアップを行うと同時にMicrosoft365のOneDrive(※2)とも連携することで,データの冗長化を実現しました。その他にも,車両動態管理システムや経理システムの導入で小さな成功を重ねていき,kintoneやKING OF TIMEといったデジタルツールの導入へとつながりました。

※1 株式会社JEMSが提供するリサイクル業に特化した仕入計量販売システム
※2 マイクロソフトが提供するオンラインストレージ

2 kintoneの導入と効果

一つ目のツールはkintoneです。kintoneはテレビCMでもお馴染みのサイボウズ株式会社が提供しているツールです。弊社では,グループ会社が増加したことによる管理の煩雑化から,作業効率の向上を目指して導入しました。
kintoneを導入する前は各グループ会社ごとに異なる方法で各種申請や報告をしていた為,本社側で取りまとめる作業に時間を有していました。kintoneの導入により一元管理が実現され,経理申請や報告事項などが効率的に処理できるようになりました。また,紙とメールを中心としたやり取りから解放され,スピーディな意思決定が可能になりました。

3 KING OF TIMEの導入とその効果

二つ目のツールはKING OF TIMEです。KING OF TIMEはクラウド型の勤怠管理システムで,パソコンとインターネット環境があれば利用可能です。弊社では,グループ会社の増加に伴う勤怠業務の複雑化と作業効率の向上を目指し,KING OF TIMEを導入しました。
導入以前は出勤簿に出退勤の時刻を手計算で記載したものをもとに勤務時間を算出していました。各拠点から本社へのタイムカードや出勤簿の送付にも時間がかかり,勤怠集計にも非常に手間がかかっていました。

しかし,KING OF TIMEの導入により以下の3つが実現しました。

  • システム上でタイムカードをリアルタイムで確認することが可能
  • 勤怠の集計についてはシステムで自動計算され,社労士にもシステムにログインしてもらうことにより,共有データの作成が不要
  • システムの初期設定のみで勤怠の集計の煩雑化を解消

また,過去の勤怠データの抽出や振り返りも容易になり,社員の業務適正な配分やワークライフバランスの改善につながっています。

4 デジタル化の推進と今後の展望

HITOホールディングスがデジタル化の推進に成功した一因として,社長を含む役員メンバーがデジタルツールを活用した業務改善に前向きな姿勢があったからだと思います。また,システムを導入していく上で避けられなかった初期投資へのハードルは,自治体による支援制度や補助金等で下げることができました。今後も自治体の支援制度の活用を含め積極的にデジタルツールの導入を進め,業務の効率化と柔軟性の向上を図っていく予定です。

〈事例紹介 ②〉

丸加ホールディングス株式会社 高尾さんより「kintoneで脱エクセル!クラウド化で業務を効率的に!」についてご説明いただきました。

丸加ホールディングスでは2019年から業務改善プロジェクトを進め,主に業務管理の効率化を進めていきました。

1 作業管理システムのクラウド化

採用活動においてデジタル化が必要となったきっかけとして,これまでは社内外の連絡は電話とメールでのやり取りで,不確かな状態で連絡・情報発信をしていたため,相手が受け取ったかを確認できていないなどコミュニケーションに問題がありました。
採用活動においては,連絡の遅れは本来であれば採用できた人を逃すことになり,チャンスを逃していた可能性があります。
これらを改善するために2つのソリューションを導入し,無駄な時間をカットすることができました。

2 勤怠管理表のクラウド化

次に,勤怠管理表のクラウド化に取り組みました。部署ごとに異なる勤務体系や手当の計算など煩雑化しており,既存の勤怠ソフトでは適用できない課題がありました。そこで,一つのシステム上で勤怠管理をできるようにするため,kintone上で自社専用勤怠システムを開発しました。Excelで使用していた勤怠管理表とほぼ同じ書式で作成しており,デスクトップ上で出勤・退勤時間を打刻するとkintoneの勤務表に反映される仕組みとなっています。

3 Microsoft365の導入

加えてMicrosoft365の導入により,社内のコミュニケーションではTeams(※3)を活用するようになりました。ファイルの共有もTeams上で行うことによって,Teams上での共同編集が可能となりました。 また,Microsoft365導入のタイミングで,Microsoft365のクラウドメールサーバーであるExchange Onlineを採用したことによって,どの端末からも同一のメールデータを参照できるようになり,効率化をより一層進めることができました。

※3 組織やチームにおいてオンラインでコミュニケーションや共同作業ができるMicrosoft365内部アプリケーション

4 動態管理システムの導入

最後に,業界特有のシステムとして動態管理システムESTRA-Web(※4)を導入しています。ESTRA-Webの車両のリアルタイムな位置情報やドライブレコーダーの映像取得により,配車係は効率的に業務を進めることができ,事故発生時の状況確認もリアルタイムで行えるようになりました。

※4 運行データなどを分析し,安全運転や燃費向上をサポートするためのソフトウェア

5 システムのクラウド化推進と今後の展望

丸加ホールディングスはkintoneを中心にしたクラウド化を進め,業務効率の向上を実現しています。当初は初期費用がネックになって社内システムのクラウド化が進みませんでしたが,福山市から補助金をいただいたことにより,作業管理システムと勤務管理システムのクラウド化を進めることができました。また,販管システム・会計システムについては国の補助金を活用しました。今後も積極的に様々なツールを取り入れ,改善を進めていく計画です。

〈質疑応答〉

事例紹介の後は,参加者からの質問に答えるQAコーナーおよびディスカッションを行いました。
今回DIGILAB10で登壇された各企業への質問などについて幅広くご投稿いただきました。たくさんのご投稿ありがとうございました。

コミュニケーションツールを用いた質疑応答 コミュニケーションツールを用いた質疑応答

コミュニケーションツールを用いた質疑応答
画像:Mentimeter(メンチメータ)を使ったQ&A

会場でのQAコーナーの様子
画像:会場でのQAコーナーの様子

「DIGILAB10」当日映像

〈アンケート実施結果 ※一部抜粋

最後に今回のイベントのアンケート結果になります。

「DIGILAB10」全体満足度

N=14

「DIGILAB10」全体満足度

「DIGILAB」を通してモチベーションは向上しましたか

N=14

「DIGILAB」を通してモチベーションは向上しましたか

全体を通して,大多数の方が満足といったご回答をいただきました。

デジタル化への取組みに関するご相談は「びんごICT相談所」でも承っておりますのでお気軽にご相談ください。

2023年度びんごデジタルラボイベントは今回が最後となりました。
ご参加された方々,誠にありがとうございました。

びんごデジタルラボ事務局