2024年度 第1回びんごデジタルラボイベント『DIGILAB11』を実施しました
2024年5月28日(火)に 「2024年度 第1回びんごデジタルラボ『DIGILAB11』」を開催しました!
今回の開催テーマは「業務効率化を実現させるデジタル化への第一歩」です。
開催概要
日 時 | 5月28日(火)15:00 ~16:30 |
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開催方式 | オンライン(Zoom)と現地参加のハイブリッド開催 |
会 場 | 41名 |
基調講演として、DXを推進するIT企業であるソフトバンク株式会社 木村信幸さん、地元企業の取り組み事例紹介として、株式会社サンエイ 西谷幸雄さんと株式会社オーザック 西山基次さんにご登壇していただきました。更に、今年度予定しているびんごデジタルラボの取り組みの紹介と福山市産業振興課からITツール導入に利用できる補助金のお知らせを行いました。
オンラインと現地参加のハイブリッド形式で開催し、多くの方にご参加いただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
登壇企業紹介
会社名 | 本社所在地 | 事業内容 | 企業HP |
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ソフトバンク株式会社 | 東京都港区 | 移動通信サービスの提供 / 携帯端末の販売 / 固定通信サービスの提供 / インターネット接続サービスの提供 | https://www.softbank.jp/ |
株式会社サンエイ | 広島県福山市手城町 | ICT・PC・ネットワーク / セキュリティ環境の導入支援 / クラウドサービス等の導入支援 / 複合機、その他OA機器の導入支援、及びメンテナンス | https://sun-a.jp/ |
株式会社オーザック | 広島県福山市鞆町 | 金属製品製造業 / 橋梁・建築・建機・船舶金物製造販売 | https://www.auzac.jp/ |
基調講演
ソフトバンク株式会社 DX/RPAメディエーター 木村 信幸さんより「中小企業のDXを考える~失敗しない取り組みのポイント~」についてご説明いただきました。
1 中小企業のDXの現状と課題
DXに向けた取り組みを実施している企業は従業員規模の比率で大きな差があり、従業員数1000人以上の企業では94.8%であり、従業員数が300人以下の企業では61.8%、100人以下の企業になるとさらに低い42.3%に留まっている。 さらに、DXで成果を上げているという企業は全体の6割に満たない程度であり、1000人以上の企業の割合では2社に1社、300人以下の企業の割合では3社に1社であり、DXに取り組んで成果が出ている企業は少ないのが現状です。
2 DXの取り組みが拡大しない理由
総務省の調査では、なぜ「DX」の取り組みが拡大しないのかという一番の理由は「人材不足」です。しかし、デジタル人材(=D)を外から連れてきて、中の業務を変革する(=X)ことはとても難しいものです。DXを進めていくには、中の業務をよく分かっている従業員(=X)こそが、Dの役割を担う必要があるのです。
3 DXの取り組みが拡大しない理由
DXのスタートは「労務環境変革」であり、①デジタル化(Digitization)、②デジタライゼーション(Digitalization)、③デジタルトランスフォーメーション(DX)の3ステップで、ゴールの「真の構造変革」に向かっていくものです。デジタル化は単なる通過点ですが、デジタル化をするということは、労務環境変革としてデータの活用や組織の変革に取り組んでいくための一丁目一番地です。そして、DXの最終のゴールは「データ活用」であり、今後はAIがその中心になっていきます。このデータ活用までたどり着くことで、ようやく成果を感じられるところまで来たと言えます。
4 中小企業のDXに必要なこと
事業目線での課題に向かっていくためには、「人材育成」・「IT活用」・「強みの継承」の3つのサイクルで回していくことが大切です。さらに、データ活用のためにはデータの土台となるセキュリティと、その上で成り立つコミュニケーション、オートメーション、マーケティングのバランスの良い整備や推進も大切です。そして、DXを推進していくためには、デジタルの力を借りながら今やっている仕事を変え、デジタルをきっかけに仕事のやり方を変えるという2つが重要であり、ここに人の成長や企業の成長、新しい生産性、新しい働き方というものが産まれてくるのです。
まとめとして、DXへの取り組みは将来への準備であり、未来のために今変わるという、経営層や社員の志が必要とされています。デジタル改革とは働く人すべての労務意識改革です。労務意識の改革が、DXへの取り組みを成功へと導く一歩となるのです。
事例紹介 ①
株式会社サンエイ 執行役員 西谷 幸雄さんより「デジタル化した現在地について。そして、どう変化したのか?」についてご説明いただきました。
1 デジタル化した現在地
自社のデジタル活用は、営業の生産性向上、俗人化防止と組織活動を目指したところから始まりました。過去5年間で導入したクラウドサービスは16種類以上。これにより紙の使用量も減り、紙の削減効果によってコピー用紙の使用量は年間で80%以上減少しました。紙の使用量が減ることで、固定席でなくても業務ができる環境となり、フリーアドレス化することも可能になりました。
2 働き方の変化と効果
自社のデジタル化が進むことで、働き方も大きく変化しました。スケジュール共有ツールやビジネスチャットの導入により、スピーディーに社内外との連携が取れるようになりました。また、勤怠管理と給与計算においては、クラウドツールのTouch On TimeとMoney Forwardクラウド給与を用いて、従来5日間かかっていた作業がわずか10分に短縮できました。残業時間は2020年で1人あたり約26時間/月でしたが、現在は約10時間/月にまで削減。残業時間を減らしただけでなく、個人の営業売上利益としても年数を重ねる毎に右肩上がりで推移させていくことに繋がっています。
3 今後の取り組み
年々、先行投資としてデジタルのクラウドツールにかける費用は増えているものの、ハード面での投資は減っています。今後も投資対効果の評価を行いながら、デジタルツールの活用環境を継続的に最適化していきます。
\ 企業見学会のお知らせ ① /
6月19日(水)、サンエイ本社で企業見学会 を開催しました。
※後日、こちらのHPでもご紹介していきます。
事例紹介 ②
株式会社オーザック 代表取締役 西山 基次さんより「デジタル活用で働き方のアップデート」についてご説明いただきました。
1 生産管理システムの入れ替えによる効果
自作のシステムを20年以上使用していましたが、重複する入力や全体像の把握が難しいという課題がありました。その結果、従業員は無駄な作業に時間を費やし、ストレスを抱えていました。新たに導入した生産管理システム(TECHS-BK)により、見積から受注、納品、請求までの情報が一元化され、同じ作業を繰り返す必要がなくなりました。進捗状況や機械の状態なども一目で把握できるようになり、効率的に作業が進められるようになりました。このシステムの導入により、年間約3000時間の時間を節約することに繋がりました。
2 在宅ワークの推進と柔軟な働き方の実現
結婚で遠方に引っ越した従業員がいたことをきっかけに、2017年から在宅ワークの導入を開始しました。ビデオ会議やチャットツールの導入のほか、内線電話がスマートフォンで受けられるシステムも導入しました。出社しなくても仕事ができる環境を整え、在宅ワークを柔軟に行うことができるようになりました。コロナ禍後の現在でも、週に1、2回程度出社する従業員や、子供の用事などで在宅で仕事をする従業員もおり、多様な働き方を実現できています。
3 バックオフィス業務のデジタル化と効率化
以前までは請求書やタイムカードの作業がアナログで行われていましたが、デジタルツール導入により電子化しました。Touch On Timeの導入により、タイムカードはICカードに切り替えられました。これにより、従業員はアナログな作業から解放され、他の業務に時間を割くことができるようになり、バックオフィス業務の効率化によって従業員の負担も軽減できました。
デジタル活用のポイントは、ツールを活かして、仕組みを変えるということです。オーザックでは「人の力で、支えるを創造し、社会を調和させる」というPurpose(パーパス)を掲げており、今後のデジタル活用においては、まさにその「人の力」が重要になっています。
\ 企業見学会のお知らせ ② /
6月18日(火)、オーザック本社で企業見学会 を開催しました。
※後日、こちらのHPでもご紹介していきます。
質疑応答
基調講演と事例紹介の後には参加者からの質問に答えるQ&Aのお時間を設けました。今回のDIGILAB11登壇者への質問や感想など、幅広くご投稿いただきました。たくさんのご投稿ありがとうございました。
画像:Mentimeter(メンチメータ)を使ったQ&A
画像:会場でのQAコーナーの様子
福山市産業振興課からのお知らせ
福山市産業振興課から「グリーンなものづくり企業プラットフォーム」の紹介と、そのグリーンな取り組みを実施する企業を支援する、補助制度の案内を行いました。制度の申請募集開始時期は未定ですが、新しい情報が入り次第、びんごデジタルラボHPでもお知らせします。
「DIGILAB10」当日映像
近日公開予定
アンケート実施結果
※一部抜粋
最後に今回のイベントのアンケート結果になります。
DIGILAB11全体満足度
N=30
「DIGILAB」を通してモチベーションは向上しましたか
N=30
全体を通して、大多数の方が満足といったご回答をいただきました。
今後も備後圏域の中小企業様に満足いただけるコンテンツを準備していきます。今年度のびんごデジタルラボにご期待ください!
びんごデジタルラボ事務局